
「せんべい布団」ということばがあります。これは、長年使い続けておせんべいのようにペタンコになってしまった敷布団を指していうことばです。最近ではベッドを使っている方も多いので、あまり耳馴染みがないことばかもしれません。「せんべい布団」になるのは敷布団だけではありません。
羽毛布団も、長年使い続けると、敷布団と同じように「せんべい布団」になってしまいます。「せんべい布団」のようになってしまった羽毛布団は、空気を包み込む力も弱く、保温能力も低下しています。布団の質は眠りの質を左右する大切なもの。そろそろだめかな、と思ったら、役目を終えさせたほうがよいかどうか考えてみるタイミングといえるでしょう。
ペタンコになってしまった羽毛布団は、「捨てる」という選択肢のほかに「リフォームして使い続ける」という選択肢もあるのをご存知でしょうか。あまりに長く使ってしまって中の羽毛の痛みの激しいものや、中の羽毛のダウンとフェザーの配合によってはできないものもありますが、一定の条件を満たしていればリフォームすることが可能です。ペタンコの羽毛布団に新しい羽毛を足していき、買ったばかりの時のボリュームを蘇らせると、またそこから10数年使い続けることができます。昔から、日本では綿の敷布団・掛け布団の「打ち直し」というリフォームが行われていました。
ベッド派の方が増えたり、安い化繊綿の使い捨てのような布団が増えて「打ち直し」をせず処分される寝具も多い中、羽毛布団はリフォームできる素晴らしい素材の寝具です。気に入ったものを長く、大切に使い続けていく気持ちを忘れずにいたいものです。
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